こんにちは。てんすけです。
劇場版「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズ
「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」公開されましたね!!
私もライトですが、ゲゲゲの鬼太郎ファンです。
この記事では、今回の映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」についてネタバレ有りの感想を書いていきたいと思います。
ここからは劇場版のネタバレがあります。未鑑賞の方はご注意ください。
人間と妖怪のバディもの
まるで横溝正史作品を思わせるような“あったかもしれない”因習が残る山村。
そこで明らかとなっていく忌まわしき真実。
こんなの私は大好物です!!
そして、その謎を解き明かすのが鬼太郎を育てたとアニメ版劇中で明言されていた水木と、目玉親父ことゲゲ郎。
この2人のバディが絶妙!!
戦争を経験し、人間の負の側面を見てきた水木。
反対に、幽霊族でありながら人間臭いゲゲ郎。
6期アニメ14話で描かれた時よりはイケメン度抑えてましたね。
2人が心を通じあわせて、酒を飲み交わすシーンは本作の中でもトップクラスに好きなシーンです。
そんな心通わせた2人だからこそ、エンドロールでも挿入された「墓場鬼太郎」を知っていると心が締め付けられるわけです。
私は昔、図書館だったか歴史資料館だったかで置いてあった原作本を読みました。
そこで見たのは、かつて再放送されていた3期「ゲゲゲの鬼太郎」とは程遠い世界観。
ミイラ男が息絶え、目玉おやじとなるシーンはいまでもありありと思い出すことができます。
まさかこの男が今回劇場版で描かれたゲゲ郎だったなんて。
水木は今作の最後に記憶をなくした姿で発見されます。
だから、ミイラ男のような姿のゲゲ郎に会った時、水木は逃げてしまったのでしょう……。
切ない。
明らかになった6期鬼太郎の人物像
今回の映画は、TVシリーズ「ゲゲゲの鬼太郎」6期の劇場版という位置づけです。
実は、「ゲゲゲの鬼太郎」という作品は時代時代ごとに世界観がリセットされて作られているのです。
メインで登場する人物は同じですが、それぞれの作品ごとに雰囲気がすべて違うのが特徴です。
特に、大きく違うのが主人公である鬼太郎の人物像。
私が見てきて感じた順に紹介します。
まずは3期の鬼太郎。
3期の鬼太郎は、困って暴れた妖怪をとにかく拳で叩き伏せて説得するタイプ。
親分というか、野沢さんの代表キャラのサイヤ人の彼というかというタイプです。
3期はバブル真っ只中で作られたこともあり、こういった兄貴分タイプの鬼太郎が採用されたのでしょう。
次に4期鬼太郎。
こちらの鬼太郎は、原点回帰ということもありどちらかというと妖怪の味方でおどろおどろしい雰囲気の人物像。
4期が制作されたのは90年代前半。
「新機動戦記ガンダムW」などと同年代です。
よって、明確な悪という存在はいないということが一般的な常識となった世代です。
そんな世代の鬼太郎は、びっくりするくらい戦闘をしません。
3期の好戦的な性格とは正反対なタイプでした。
そして、私の大好きな5期鬼太郎。
声優はあの高山みなみさん!!
この鬼太郎は、探偵事務所で仕事を待つタイプ!
声優さんの影響強いなー
自ら妖怪が絡む事件に赴くのではなく、妖怪ポストに届いた事件を解決するタイプの鬼太郎です。
妖怪ではなく人間が悪事を働いていた場合は、あっさり見捨てるというリアリストという側面も持ち合わせています。
このような割り切った描かれ方をされたのは、何を隠そう5期鬼太郎の脚本はあの「仮面ライダーW」や「ダイの大冒険」の原作者三条陸先生!!
群像劇を描くのがうまい方です。
5期に登場する日本妖怪四十七士に代表されるように、このシリーズは妖怪たちの群像劇に焦点が当てられていたため、鬼太郎はストーリーの進行役として描かれていたのです。
このシリーズ打ち切りなの本当にもったいないくらい好きでした。ちなみに後番組はドラゴンボール超。
そしてそして、今回の映画版でも登場した6期鬼太郎。
声優は映画同様沢城みゆきさん!!
この鬼太郎、一言でいうとひきこもり&キレっぽい&あきっぽいです。
まったく一言ではありませんね。
でもそのとおりなんです。
自ら厄介事には関わろうとせず、狂言回しに徹するときもあれば、霊丸のようになった指鉄砲で戦う時もありました。
なぜここまで安定しない人物像だったのか。
それが今作で明らかになったのです。
6期の鬼太郎は唯一、水木によって育てられたという「墓場鬼太郎」の設定が言及された存在です。
水木はゲゲ郎こと目玉おやじと心を通わせた人物。
そして、鬼太郎の出生の秘密を何から何まで知っている人物です。
今作であったように、人間の醜さの犠牲として生まれてきたのが6期鬼太郎。
人間の味方
妖怪の味方
その中庸にある存在として生まれてくることが期待されていた。
しかし、そんな存在こそが不安定の象徴のようにも思います。
時代によって正義は変わる。それは何より「ゲゲゲの鬼太郎」というシリーズが辿ってきた道筋でもあります。
だからこその一言では言い表せないような人物像として、あえて描かれたのではないかと思いました。
おわりに
最高の映画でした!!
「ゲゲゲの鬼太郎」という作品は1度は聞いたこと、目にしたことはあると思います。
その程度の予備知識のみで100%楽しめるのが今回の劇場版!!!
シリーズファンにとっては、細かな楽しみ要素もある最高の作品だと私は思いました。
ぜひぜひまだご覧になっていない方は見てみてください!!
最後に一つだけ言わせてください!!
まさか目玉の親父が
鬼舞辻無惨様だったなんて!!!
関俊彦さん、最高!!SEED劇場版も待ってます!!