こんにちは。てんすけです。
さて、今週もアニメ「平家物語」の最新話が配信されました。
この記事では、ネタバレ感想とアニメで描かれた史実の解説を書いていきます。
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ここから先はネタバレあります
ネタバレ感想
都落ち
「京を旅立つ準備」はいいのかな?
OPテーマ「光るとき」2番の歌詞
今日を旅立つ 準備はいいかい
は、「京を旅立つ」の掛詞になっていました。
今回のエピソードを思わせる歌詞ですね。
さて
栄華を誇った平家。
ついに京から去ることになりました。
これが「都落ち」の語源です。
京はこの時代の日本の中心地。そこから離れることは、政治的実権を完全に失ったことを意味します。
すなわち平家の時代はもう終わりを告げたのです。
着の身着のまま京を発つことになった平家。
維盛も家族を京に残すこととなりました。
弟たちはかばってくれますが、維盛の心に残るのは無力感のみ。
自分が木曽義仲に負けなければ……。
富士川の戦いでの敗走から、侍になると覚悟を決めた維盛。実は木曽義仲との戦いの前には総大将として頼朝に勝利しているのです。
それでも、彼は父重盛のように戦上手にはなれなかった。
彼は父から戦の才能を受け継いだのではなかったのです。
嫡男の辛さのみが彼に大きくのしかかります。
そういえば、もう随分維盛の舞を見てないですね。
木曽義仲、登場!
THE破天荒!!
口癖は「にししし」みたいです。
彼は源頼朝のいとこにあたります。
ただし、その生い立ちは悲劇そのもの。
義仲の父は、頼朝の父である義朝の長男に討たれました。
なぜ討たれたかというと、源氏の直系を義朝の家系とするため。
もっと言うなら、源氏の総大将を頼朝にするため。
だから、義仲は身内に追われて木曽で暮らすこととなったのです。
そんな義仲も平家討伐に名乗りをあげます。
ここで頼朝より先に平家を討つ!
さすれば、源氏の棟梁の座は自分のもの!
このような野心の元、挙兵した木曽義仲。
一門も完全に一枚岩なんです。
圧倒的な戦力と勢いで、平家をどんどん追い詰めていくことになります。
お家を取り戻そうと一丸となるから士気も全然違うんですよね。
変わらぬびわ
都に入った源氏の侍たち。
何をしたかというと……略奪!!
結局、いつも犠牲になるのは民です。
平家が覇権をとろうと、源氏がとろうとそれは変わりません。
びわには、この源氏の狼藉がかつて平家が民を弾圧するために放っていた禿の姿と重なります。
びわの父の命が奪われた時と同じです。
でも、彼女は変わらず源氏の武者にも立ち向かいました。
びわが変わらないのは、姿だけではありませんでした。
彼女はただの傍観者ではなく、その時その時に生きる人々の心情を描くためのスコープのような存在。
今回、源氏が狼藉をはたらく都に彼女が残った意味はなんなのでしょうか?
どんな人々の心情を我々に伝えてくれるのでしょうか。
今回の史実
これは物語の中でも描写されていましたが、平家に大きな痛手を与えた戦となりました。
その中で、平家敗北の決定的要因となったのが……
義仲の奇策、火牛の計
元は中国の故事に登場する戦術。
牛の頭の部分に火がついたたいまつをくくりつけて、敵の陣に突っ込ませ混乱させることを狙います。
なんという恐ろしい戦術。
しかも、ここで義仲は地の利も考えてこの戦術を取り入れていました。
火牛によって混乱させ、追い詰めるのは断崖絶壁。
なすすべもなく平家はここで源氏に押し負け、海に散っていきます。
人には馬、落ち重なり重なり
さばかり深き谷一つを平家七万騎で埋めたり
巌泉血を流し、死骸岳をなせり
このように、義仲は物語で描かれている以上に天性の戦上手。
そんな相手にまともな戦を経験してこなかった平家は勝てるわけもありません。
今回の戦いも以前のように、必然の敗北でもあったのです。
おわりに
衝撃的な登場だった木曽義仲。
彼の類まれなる戦上手が描かれた今回のエピソード。
彼女の登場により、びわの母や、源氏にいるもうひとりの戦の天才へと話がつながることになると予想しています。
cv:水瀬いのりさん……だと!?
来週も楽しみです!!
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