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アニメ「平家物語」第9話感想 びわができること

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こんにちは。てんすけです。

 

さて、今週もアニメ「平家物語」の最新話が配信されました。

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この記事では、ネタバレ感想アニメで描かれた史実の解説を書いていきます。

 

 

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注意

ここから先はネタバレあります

 

 

 

 

ネタバレ感想

 

平家を滅ぼす者、登場

 

ついに義経登場だ!!!

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歴史上の人物で一番好きなので、興奮しました!

もうイメージどおりの義経でしたね。

 

平家物語で描かれる義経は、淡々と平家を滅亡へと追い込む戦闘マシーン

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アニメでもそこはしっかりと描かれていましたね。

 

髪型が某兵長っぽいと思ったのは私だけでしょうか……?

 

 

 

びわができること

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今回は、主人公びわターニングポイントでした。

 

今まで彼女は「見えるだけで何もできないこと」に苦しみ悩んできました。

その苦しみは、この作品を見ている我々も共有できるもの。

 

未来が見えるだけでは何もできないのか?

 

今回、ついに出会った母が彼女にできることを教えてくれました。

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それは祈ること。

 

びわの母、浅葱の方未来が見える目を持っていました。

けれども、びわに対して何もしてこなかった。

びわは怒り、母との絶縁を決意します。

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そんなびわに対して、母は言います。

 

何もできなくても祈っていた。

父のこともどうか安らかにと。

 

 

何もできなくとも、祈る

 

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父が、重盛が、清盛が、清経が、生きていた証を残すために、忘れないために祈る。

 

びわの心は決まりました。

たとえ、行く末が悲劇であろうと、平家を最期まで見届けることを。

 

そして、祈りをこめて琵琶をひくことを。

それが死んでいった者たちの思いを受けつぐことだから。

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この祈るというびわの生きる道。

現代に生きる我々へのメッセージだなと感じました。

 

私達もこの作品に登場する人たちの行く末を知っています。しかし、びわのように誰がどこで生涯を終えるか知っていても、何もできないわけです。

冒頭でも書いたとおり、私は義経が好きです。

この作品を見ている方にも、それぞれ好きだと思える歴史上の人物がいるはず。

 

その人物に対して我々は何ができるでしょうか。

 

あの時、あの瞬間、精一杯生きていた。

今は後悔などせず安らかに眠っている、そう祈ること。

 

それだけではないでしょうか。

 

歴史というものは後世の人が、正悪を判断するもの。

その材料は多くの場合、歴史年表から察するしかありません。

歴史的事実だけを見るのではなく、歴史の一瞬一瞬に人が生きていたことを教えてくれるのが、この「平家物語」という作品なんだと思います。

 

p-tenchan321.hatenablog.com

 

 

びわはこの後も、物語に対して何かすることはないでしょう。

しかし、私達と一緒に祈ります。

命を落とした者たちが、歴史に埋もれぬように。

 

やはり、彼女に未来を見る目をもたせた意味は、しかとあったんですね。

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今回の史実

 

敦盛最期

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扇を上げて招きければ、敦盛招かれてとつて返す

首をかかんと甲を押し上げ見れば、年は十六七、容顔まことに美麗なり

「あはれ、助けたてまつらばや」と思ひて、後ろを見れば・・・

 

これは、中学生の古典の教科書に必ず入っている文章。

敦盛の最期です。

 

一の谷での源氏の奇襲を受け、敗走する平家。

敦盛は馬で船上の味方と合流するため駆けます。

すると、後ろから自分を呼び止める源氏の侍熊谷直実が。

 

敵に背を向けて逃げる

 

それは、平家の侍の姿ではない。

何より、友に雄々しく戦う誓ったことに反する。

 

敦盛は戦うことを決意します。

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激しく打ち合う2人。

すると、一瞬の隙をついた熊谷直実が優勢となり、敦盛を追い詰めます。

 

その時

 

熊谷直実は、平敦盛自分の子同じ年頃の少年だと気づいたのです。

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この命うばってよいのか?

 

 

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敦盛は言います。

首をとれ。

と。

 

息子と同じ若武者ながら、助命を求めない。

直実は苦渋の決断により、敦盛にとどめを刺しました。

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敦盛は誓いを守ったのです。

同じように笛を吹き、楽しかったあの頃を過ごしたとの。

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敦盛の最期をフルで見せてくれるとは。

 

中盤のクライマックスなのでどのように描かれるか気になっていましたが、想像以上でした。

熊谷直実と敦盛のやり取り、一切の説明が無いのに状況がわかるという。

アニメ平家物語琵琶語りによる演出が、ここにきて極まったように感じました。

 

そして、清経との誓いがここで生きてくるとは。

笛を拾いに戻るシーンがさりげなく入ることによって、敦盛の最期がぐっと心にくるものになったように思います。

 

 

おわりに

 

びわの生きる道が定まったと同時に、平家滅亡へとカウントダウンが早まった。

そんな回だったと思います。

 

いよいよこの抒情詩の終焉も近づいてきました。

びわが平家をどのように見て、どのように語っていくのか。

 

残りすべて見逃し無く!!

 

 

次回の感想はこちら

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