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アニメ「平家物語」第10話感想 因果と運命と

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こんにちは。てんすけです。

 

さて、今週もアニメ「平家物語」の最新話が配信されました。

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この記事では、ネタバレ感想アニメで描かれた史実の解説を書いていきます。

 

 

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注意

ここから先はネタバレあります

 

 

 

 

ネタバレ感想

 

最期の戦い開戦す

 

今までで一番の琵琶語り演出

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この演出、鳥肌が立ちました。

琵琶の弦についた水滴がネオンボールのように舞う。

それは一瞬の煌きのように語るびわを照らしています。

まるで、この壇ノ浦で散っていく命をあらわすかのように。

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維盛、散華

重盛の長兄、維盛

彼は父から優しさを受け継いだ子でした。

 

しかし、その優しさは動乱の世には向きませんでした。

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俗世を捨てて、出家することを選んだ維盛。

自らを臆病だと卑下しながらの決断だったようです。

 

それは戦によって手を汚し、地獄へ落ちる運命から逃げたから。

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出家した後は憑き物が落ちたような顔で過ごす維盛でしたが、なんと意外な人物と再開します。

 

それはびわ

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維盛は問いました。

 

見えるのだろ?

 

びわには見えていました。

維盛の最期が。

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維盛は入水することで生きることから逃げようとしたのでしょうか?

 

私は違うと思います。

 

維盛が行ったこの行為は仏教で言う「補陀落渡海(ふだらくとかい)」という行為です。

ja.wikipedia.org

 

これは、南方の海(ブッダがいるとされる海)に向かって船を出し、自ら身を投げる行為です。

入水自殺と違うのは、仏のいる海に身を投げることでこの世に生きる民衆をすべて極楽浄土へ行けるように願うという点。

 

身を投げるという行為そのものが、祈祷の意味を含んでいるのです。

 

維盛が出家した際に最も恐れていた地獄落ち

彼は出家し、何を見てこの行為に及んだのでしょうか?

 

わかりませんが、私は彼が自らの運命にあらがったからではないかと考えています。

 

この時代、生前の罪を被るのは自分だけではありません。一族郎党すべてに災いが起こるとされます。

重衡の南都焼討がまさにそれ。

p-tenchan321.hatenablog.com

維盛は生きることから逃げたのではなく、自身が戦で犯した過ちの代償を家族にかぶらせないため、身を投げたのではないでしょうか?

 

仏に近しい場所で命をささげることで、生きるものへの因果を振り払う。

そんな願いをこめて彼は身を投げた。

 

彼は最期の最期に臆病ではなくなった。

 

私はそう思いたいです。

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2つの青海波

ついに1人になってしまった資盛と、宴の渦中の義経

2人の眼前にあるもの。

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それは2つの青海波でした。

 

方や、義経と結ばれる静御前

方や、今は亡き兄維盛。

 

これから生まれる運命と、終わってしまった運命の対比がとても印象的なシーンでした。

 

びわ建礼門院右京大夫からの手紙をもって資盛の前に現れたのもよかったです。

資盛の運命はまだ終わってはいないことを表す描写だなと。

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なお、この屋島でのやり取りの後、建礼門院右京大夫に手紙は帰ってこなかったと言われています。

 

 

 

平家と源氏を支える2人の女性

 

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建礼門院徳子北条政子

 

お互い今の状況は因果応報によるものだということを念頭にこれからの運命を決しています。

 

 

北条政子は、頼朝に説きます。

清盛に生かされた頼朝が今や平家を討とうとしている。

同じように平家に情けをかけたら、必ず報復が待っている。

 

徹底的に滅ぼすべしと。

因果応報は、決して断ち切ることのできないものという考えのもとの言葉です。

 

これに対し、建礼門院徳子は言います。

 

必ず我が子を守る、と。

 

因果応報を断ち切る覚悟をもっているのです。

 

これは前回描かれた母というものの生き方なんだと思いました。

 

p-tenchan321.hatenablog.com

母はどんな状況でも、子のことを思う。

平家がおごり高ぶっていた因果からの運命だとしても、今の世を生きる子には関係ない。

母がすることは、この世が美しいことを子に教えることだけ。

 

 

政子が語る強い因果応報の話を前段として、徳子の信念はずっとぶれていないことが分かる対比の描写でした。

 

 

 

今回の史実

 

すごくさらっと終わりましたが、屋島の戦いについてです。

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これ、アニメでは分かりづらい描写だったかもしれませんが、屋島の戦いは一の谷の戦いに続き平家としてはまさかの敗戦だったのです。

 

解説します。

 

平家が屋島に逃げ落ちたのにはちゃんと理由がありました。

屋島は今の香川県のあたりです。

ja.wikipedia.org

 

ここは平家が築いた福原や厳島神社とも近く、宋との交易の際に平家の船が停泊していた地。

そのため、屋島は平家にとってホームグラウンド

水軍の備えも十分にあったのです。

 

しかし、そこを攻めた義経はやはり戦の天才。

あえて暴風雨の時に少数で攻めるという戦法をとったのです。

 

少数で平家の水軍を奇襲し、次々と数を減らしていく戦法の恐ろしさは、近代においてもゲリラ戦が最も手強いとされていることからも容易に想像が付きます。

 

この奇襲で体制をくずされた平家が行った挑発のエピソードが、那須与一が登場する「扇の的」です。

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的を外すことは源氏の名折れ。

挑戦から逃げるわけにもかない。

 

これは義経パワハラともとれる話で、那須与一はこれを外すと切腹が待っていました。

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那須与一による奇跡の照射で勢いづいた源氏は、再び平家に大勝することになったのです。

 

 

 

おわりに

一歩、一歩終わりに近づく平家物語

びわはただただ語っていくことを資盛に対しても誓いました。

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びわが見届ける資盛の最期は……。

 

 

 

先週の放送延期の影響で2話連続放送となった今回。

 

なぜこのような放送形態をとったのか。

それについても最終回の感想で書きたいと思います。