こんにちは。てんすけです。
今回は、ガンダムシリーズ3作目「機動戦士ガンダムZZ」の考察をしたいと思います。
「機動戦士ガンダムZZ」こちらの作品ですが、一言で言うと「影が薄いガンダム」です。
というのも、よくガンダムファンは次のように宇宙世紀シリーズをすすめるからです。
昨日のガンダムスペースの一コマ
— てんすけ (@p_tenchan) 2022年3月5日
まなと「閃光のハサウェイは時系列的にはZの後?」
はたろう「Z見たらZZは飛ばして逆シャア見ると良いよ。そしたら閃ハサ追いつく」
てんすけ「なんでZZとばすんですか!!アニメじゃないからですか!?(怒)」
いや、たしかに宇宙世紀のメインストーリーを楽しむ上では飛ばしても全く問題ない作品だとは思います。
しかし
この作品、見ないままなのはもったいないですよ!
と、私は言いたい。
そこで今回の記事では次のことを解説&考察していきます。
ガンダムZZストーリー解説
飛ばしていいと言われる理由
見た方がいいポイント
こちらの記事を読んだら、今まで「機動戦士ガンダムZZ」を見ずに他のガンダム作品を楽しんでいた方も一度見てみたいと思っていただけるはずです。
ガンダムZZストーリー解説
ガンダムZZはZガンダムの最終回直後からストーリーが始まります。
しかし、アーガマを始めとするエゥーゴの艦隊の損害も相当なもの。
ブライト、ファ、そしてカミーユが乗るアーガマは補給のため、サイド1のコロニーシャングリラに立ち寄ります。
そこで、出会うのがジュドー・アーシタという少年。
彼がアーガマでZガンダムとカミーユと出会うことにより、新たなガンダムパイロットとなります。
一方、Zガンダム終盤で一時停戦して退いたアクシズはネオ・ジオンと名を改めて地球連邦に再度宣戦布告します。
新たにジュドーら若きパイロットを得たアーガマ隊はこのネオジオンと宇宙から地球へと戦闘を繰り広げます。
ニュータイプ、強化人間、そしてハマーン・カーンと、ジュドーは様々な人々と出会い成長していく。
地球連邦とネオ・ジオンの戦いの行方は!?
若きニュータイプたちはどのような未来を迎えるのか!?
ぜひ一度見てください!
ここから先は「機動戦士ガンダムZZ」のネタバレがあります。ご注意ください。
飛ばしていいと言われる理由
さて、一度見てくださいとは言いましたが……
飛ばしていいと言われるにはちゃんと理由もあります。
それをここで書いていきたいと思います。
大きな出来事が起きない
これが大きいです。
「機動戦士ガンダムZZ」は宇宙世紀サーガという長い歴史の一つの作品です。
この宇宙世紀サーガは地球連邦とジオンの対立から始まり、シャアの活躍によって歴史が動きます。
さらにその対立する相手としてアムロがいることで、物語が進むのです。
これは「機動戦士ガンダム」から始まり、「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」まで連綿と続く物語となっています。
しかし
「機動戦士ガンダムZZ」はシャアもアムロも出てきません。
そのため、宇宙世紀サーガのメインとなるストーリーはまったく動かず、ジュドーやハマーンを中心としてストーリーが展開します。
そしてそして、ジュドーやハマーンはこの「機動戦士ガンダムZZ」以外に後の作品には登場しません。
つまり、メインストーリーは進まないが、サブストーリーのみが進行するのが「機動戦士ガンダムZZ」
これらのことから、「機動戦士ガンダムZZ」は飛ばして、時系列としては4番目の作品「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」を見ても、理解度に差が無いので見なくてもいいと言われるのです。
ここからは「機動戦士Zガンダム」の重大なネタバレがあります。未視聴の方はご注意を。
ガンダムの雰囲気を壊す
「機動戦士Zガンダム」のラスト。
これはアニメ史上随一の衝撃的なシーンとして有名です。
主人公が精神崩壊して終了するという今までになかったもの。
このラストに行き着くまで、Zガンダムは非常にシリアスな展開の連続でした。
しかし
「機動戦士ガンダムZZ」ではZガンダムが“シェー”のポーズをします。
もう一度言います。シェーです。
また、ハンブラビに乗りカミーユを追い詰めたヤザン・ゲーブル。
彼もガンダムZZの1話から登場するのですが……
なんか雰囲気変わっちゃってます。
彼はジュドーたちにあしらわれるやられキャラとなってガンダムZZでは活躍するのです。
活躍?
このシェーや変わり果てたヤザンが代表的な例ですが、ガンダムZZはZガンダムと打って変わってコメディタッチで始まるガンダムなのです。
また、いわゆる“つなぎエピソード”的な1話完結の話も多く、ガンダムZZのメインストーリーである地球連邦VSネオ・ジオンの対立軸が分かりづらい構造になっています。
以上のことからも、Zガンダムで宇宙世紀の歴史をシリアスな視点で追っていた視聴者を突然コメディ調や1話完結話で戸惑わせるので、逆に雑音となるため見なくて良いと言われるのです。
見た方がいいポイント
では!
ここまでさんざん見なくていいよ〜と言ってきたのですが、やっと見た方がいいポイントをしっかり書いていきたいと思います。
ハマーンの物語がしっかり描かれる
彼女がどのような思想の元、アクシズ=ネオ・ジオンを結成したのか。
これがZガンダムでは十分に描かれませんでした。
それがジュドーとの出会いで浮き彫りになるのです。
ジュドーのようにバイタリティあふれる少年は、彼女の人生で現れなかった存在。
彼と戦いを重ねることでハマーン自身も成長していく様子が描かれます。
ハマーンって結局なんのために出てきたの?
と、Zガンダムを見て思った方はぜひ見てみてください!
ちなみに、ガンダムZZの後期OPはハマーンの心情を歌ったものとしても有名で、本作は彼女が主人公であることを暗に示しています。
ここから先は「機動戦士ガンダムUC」のネタバレがあります。未視聴の方はご注意を。
強化人間の要素が掘り下げられている
「機動戦士Zガンダム」で登場した強化人間。
このことについて説明がなされ、強化人間となった者たちの苦悩や悲劇が詳細に描かれているのも「機動戦士ガンダムZZ」の特徴です。
特に顕著なのが彼。
彼は前半のコメディ部分でのやられ役の敵キャラ(しかも濃い)として登場しました。
しかし、後半では、ハマーンに利用された悲劇の強化人間として描かれます。
彼がなぜ強化人間となったのか。
強化人間となったことで何を得たのか、何を失ったのか。
このあたりのドラマは非常に面白いです。
近年の作品への伏線が描かれる
これが一番大きいと思います!
まずは「機動戦士ガンダムUC」へとつながる要素の多さ。
彼女は作品中盤にてその本名が「プルトゥエルブ」であることが明かされます。
12番めのプルということですね。
このプルはガンダムZZの登場人物です。
そして、作中にはプルのコピーであるプルツーも出てきます。
そもそもプルとはグレミー・トトという終盤の重要キャラによって作られたデザイナーベイビーの強化人間なのです。
マリーダはこのプルの12番めであり、ガンダムZZで描かれた戦争の生き残りだったことがガンダムUC内で明らかになるのです。
さらに、「機動戦士ガンダムUC」のヒロインであるオードリー=ミネバの動向もガンダムZZで描かれます。
なぜ、ミネバはジオンから離れることになったのか。
この部分が描かれるので「機動戦士ガンダムUC」をより楽しむためにも見ておくといいと思います!
また、宇宙世紀シリーズの最新作「機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ」の次に映画化されると言われている「機動戦士ムーンガンダム」は、この「機動戦士ガンダムZZ」のとある2つのエピソードを下敷きにした作品です。
もっと言うと、この2つのエピソード見ておかないといまいち分かりづらい部分が多い作品です。
第14話第15話で描かれる「幻のコロニー」のエピソード。
ぜひこちらを見てから将来映画化されるであろう「機動戦士ムーンガンダム」を楽しみましょう!
おわりに
ガンダムファンの中でもたびたび議論になっているZZ見なくていい問題についてまとめてみました。
個人的には、時間があるなら見てねくらいの立ち位置です。
ただ、ガンダムZZはプラモ化されることも少なく長らく不遇の立ち位置にあった作品。
近年になってZZで描かれた要素を膨らませた後発の作品が増えたことで再注目されてきました。
だから、この時に私もガンガンZZの魅力を伝えていこうと思います。
この記事を読んでちょっと見てみようかなと思っていただけたら幸いです。