こんにちは。てんすけです。
みなさんはどんな学生時代を過ごしていましたか？
私は中高とそこまでパッとしなかったせいで、大学ではだいぶ痛いことを繰り返していました。
大学デビューというやつです。
今回は、そんな大学デビューしたてんすけが初めてデートに行った時のことを掘り返して書きます。
酒の肴にして楽しんでいただければと思います！！
多分に脚色を含みます。また、登場人物はすべて仮名です。
2000年代後半。
イケメンパラダイスで堀北真希旋風が起こっていた時期。
佐藤健が朝8時に「俺！参上！」と言っていた時期。
てんすけは、地元を離れて東京の大学へ進学した。
どんなことが待ってるんだろうか？
友達できるだろうか？
彼女ができたらいいな！！
灰色の青春を過ごした高校時代を捨てて、てんすけの大学デビューは始まった。
大学入学直後、クラスの交流会で出会い、一目惚れしたあかりさん（仮名）と初デートに行くことになった話。
高校時代まで、まったく女性経験がなかった私はあかりさんのことが猛烈に好きだった。
そのため、絶対にデートでしくじるわけにはいかないと考えた。
デートを大成功させるには……
まずは私自身のファッションをイケてる感じにしなくてはいけない！！
そこで、私はありとあらゆるファッション雑誌を１日で読み込み、ファッションを整えた。
こんな感じに仕上がった。
引用：メンズファッション.jp - 男性必見!メンズファッション総合情報サイト
画像検索してびっくりしたが、まじでこのまんまだ。
ちなみに画像がなかったので、示せないがこれにハットと先が尖ったシューズも合わせていた。
服装は完璧。
次はデートプランだ。
東京のデート。若きてんすけにとって、それは一択だった。
ここを散歩してお昼ごはん。映画を見て、動物園に行ってお茶をする。
完璧なデートプランができたと思った。
映画（スパイダーマン３）が終わった時点で動物園はしまっているとか、どうでもよかった。
とにかくこの時は完璧だったのだ。
このプランとファッションならば絶対に成功する。
そう信じてデート当日を迎えた。
ちなみに、このプランはあかりさんには伝えていない。
当日エスコートするのがかっこいいと思っていたからだ。
そんな地雷源しかないプランを携え、私は奮発して購入したファッションに身を包み吉祥寺駅前に集合時刻（１１時半）の３０分前についた。
集合時刻になった。あかりさんは若干遅刻してきて、１１時４５分くらいに出会った。
あかりさん「ごめんね。遅れちゃった。」
てんすけ「あ、全然待ってないよ。気にしないで。」
別に聞かれていないのに、クールで大人な自分を演出した。
あかりさん「もうお昼だね。どうしよ。決めてないよね？」
てんすけ「あーそっか。とりあえず井の頭公園行かない？」
あかりさん「公園？う、うん。いいよ。」
私は、無事に公園デートにエスコートすることができた。
まずはミッション１クリアだ。
あとは、井の頭公園のロマンチックな所へ連れて行ってクールな自分を見せるだけ。
完璧だ！！
あかりさん「井の頭公園で何するの？」
てんすけ「とりあえずブラブラしない？」
あかりさん「う、うん。時間見ながらかな〜。」
公園に到着したのは１２時すぎ。
気合を入れて朝ごはんをたくさん食べてきたてんすけは、あかりさんがお昼ごはんの心配をしていることなど微塵も気づいていなかった。
見ていたのは、井の頭公園にあるボートだけだ。
あそこに乗って東京のデートをする。
最高のプランだ。
てんすけ「ねえ、あそこのボート乗らない？」
あかりさん「え？ボート？？」
てんすけ「そう！気持ちよさそうじゃない？」
あかりさん「うーん……。なんかお金かかるみたいだからやめない？」
ちなみに後で聞いた話だが、あかりさんはこの時点ではちょっとてんすけに気が合ったらしい。
だから、『井の頭公園のボートに乗ったら別れる』という都市伝説を気にして断ったという。
吉祥寺デートにあこがれていたのに、そんなことも調べていなかった私の猛攻は続く。
てんすけ「大丈夫だよ！俺おごるよ。」
あかりさん「うーん。そういうことじゃなくて。あ！！私あっちのベンチの方行きたい。」
てんすけ「そっか。ボートやめるか〜。じゃあ歩いてそっちのベンチの方行こう。」
あかりさんのナイスアシストにも気づかず、私は一緒にボートのあった池をぐるっと回ってベンチに向かう。
２人でベンチに座って会話を……。
と、いきたいところだったがここで問題が発生する。
私にとってこれは初デートである。
もう一度言う。初デートである。
ファッションとデートプランは雑誌やインターネットで調べて十分準備した。
しかし
女性と盛り上がれる話題など用意していないのだ。
てんすけ「……」
あかりさん「……」
てんすけ「あ、なんか天気良くてよかったね。」
あかりさん「え？ああ、そうだね。」
てんすけ「……」
これはガチである。今でもはっきり覚えている。
てんすけ「……（これはまずい）」
あかりさん「……」
てんすけ「あ！！あそこ見て！鳥が飛んでるよ！！」
あかりさん「え？鳥？あ、ああ〜そうだね。」
てんすけ「ね！！めっちゃ飛んでるよね！！すごいよね！！」
あかりさん「うん。すごいね。鳥好きなの？」
てんすけ「ううん。全然！すごいよね！！」
あかりさん「そうだね。」
こんな会話をして１３時くらいになったころ、井の頭公園を後にした。
さて、次はランチだ。
私は気合を入れて、おしゃれなランチを調べていた。
てんすけ「じゃあ、お昼行こう。」
あかりさん「いいよ〜。どこ？」
てんすけ「〇〇（かなり有名なレストラン）！！」
あかりさん「え！？そこ入れるの？」
てんすけ「わかんないけど行ってみよう！」
あかりさん「う、うん。」
私がランチにと考えていたのは、吉祥寺でも定番の人気レストラン。
もちろん予約はしていない。
当然、土曜日の昼など入れるわけがなかった。
てんすけ「今いっぱいで１時間待つって。どうしよう？」
あかりさん「１時間はきついね。」
てんすけ「でも、話して待ってたらすぐだよ。」
あかりさん「う、うーん。どうかな。他にないかな？」
事前に調べたわりに、私はこの店以外には候補を持ち得なかった。
つまり、ここからは足で探すしかない。
私達は１３時も回り、空腹のまま街を歩き続けた。
てんすけ「ここも入れないって。」
あかりさん「そっか。じゃあマクドナルドとかでも良いんじゃない？」
当時の私にとって、デートでマクドナルドはあり得なかった。
デートでチェーン店に入るは敗北を意味すると信じていたからだ。
てんすけ「うーん。マックはね〜。」
あかりさん「でもさ、どこも入れないんだからしょうがなくない？」
てんすけ「そうかも。でもな〜。じゃあ、もう一軒行ってみて無理だったらそうしよっか。」
あかりさん「わかった……。」
最後までプライドを捨てきれなかった私は、もう一軒おしゃれなレストランをあたってみる。
当然、土曜のお昼時のため満席だった。
てんすけ「ここも満席だった。ごめん。もう一個だけ行ってみて良い？」
あかりさん「……。私１５時からバイトあるから帰っても良い？」
てんすけ「え！？まじで！？バイトあるの？」
それは今となっては、方便だとわかるが当時の私には青天の霹靂だった。
つまらなくなったから途中で帰るなんて、つゆほども考えていなかったのだ。
あかりさん「うん。バイトだから、ごめんね。」
てんすけ「え！？え！？でも、ご飯食べなくても良いの？」
あかりさん「まあ、しょうがないからね。」
てんすけ「大丈夫だよ。もう一個行こう！！」
あかりさん「ごめん！ほんとごめん！バイト行くから！ばいばい！ありがとうね。」
あかりさんは、てんすけを吉祥寺の街に残して駅に向かった。
こうして私の初めてのデートは終わった。
あかりさんからは、後日『別の好きな人ができた。』と電話があって振られた。
今となっては、ちゃんと振ってくれたことに感謝だが、当時はなんで振られたのか本気で分からなかった。
初デート。
それは理想を形にしようとも、現実はそうではないことを教えてくれた貴重な経験だった。
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