こんにちは。てんすけです。
さて、今週もアニメ「平家物語」の最新話が配信されました。
この記事では、ネタバレ感想とアニメで描かれた史実の解説を書いていきます。
「平家物語」見るならAmazonプライムとNetflixがおすすめ。
ここから先はネタバレあります
ネタバレ感想
家から脱却した徳子
かざらない言葉で言います。
かっこいいです。
おそらく平家一門で徳子が最も平家衰退の様を感じ取っていることでしょう。
彼女は、平家でありながら皇族という外にいる立場であるから。
その皇族の立場は、元は清盛によって作られたもの。
ただし、今回彼女は自ら生きる行く末を選びました。
父である清盛に立ち向かう覚悟をもって
皇族として清盛の傀儡となることを彼女は良しとしませんでした。
なぜならば、彼女はこの世界の美しさを子である安徳帝に伝えていくことを決めたから。
彼女はあくまで高倉上皇の妻=自らが選んだ立場であり続けることを選びました。
しかし、清盛もこの世を去り、重盛もいない。
平家が滅亡に向かうのは、もはやわかりきった未来。
それでも彼女は泥の中でも咲く花となることを決意します。
まさに
何回だって言うよ
世界は美しい
君がそれを諦めないからだよ
つくづくOP「光るとき」のこの歌詞は建礼門院徳子の生き様を歌っているように思います。
ちなみにこの歌詞は2番でもまったく同じものが繰り返されています。そこからも作品のテーマとして強調されているのがわかりますね。
それにしても、今まで「平家物語」というタイトルでメディア化されたもので、ここまで徳子の内面を取り上げた作品があったでしょうか?
そのため、残念ながら徳子は清盛の野望のために利用される人物としか描かれてきませんでした。
今回のアニメでは平家物語をびわの視点があることにより抒情詩として描くことが1つのコンセプト。
だからこそ、ここまで徳子の内面を掘り下げたのでしょう。
本当に本当に、個人的にアニメスタッフのこの方針には感謝したいです。
建礼門院徳子。
その波乱万丈の生涯を歴史年表から想像するしかなかった今まで。
しかし、今回のアニメでは彼女を中心に据えてしっかりと描く。
今後が楽しみでもあり、そして辛くもありますね。
彼女が言った
「泥の中でも咲く花」
は、蓮華のことかなと思いました。
仏教の中では、泥水に中から美しい花を咲かすことから「輪廻転生」のメタファーともさています。
さて、これが何を意味するのか。
今後に期待です。
びわを家から脱出させた資盛
もう一人、今回の話で平家から脱却した人物がいました。
それは、びわ。
正直この展開は意外でした。
てっきり、びわは壇ノ浦まで平家に付きそうのかと。
さて今回、びわは重盛から受け継いだ死者を見る目を多用していました。
まずは、平重衡の南都焼討にて。
ここでは無数の人魂を見ます。
平家へのうらみを訴えるかのように集まった人魂たち。
死者を見る目も未来を見る目同様、持っていても意味のないものなのか。
2回、3回目の使用場面を見るとそうではないことがわかります。
びわに何かを語りかけようとする重盛
なんだか今回の描写からは、未来を見通す視点よりも、過去との対話の方が重要な示唆を与えてくれるというメッセージが込められている用に思いました。
そして、びわにだけ語りかけた重盛からの訴えを感じ取ったのは資盛。
彼がびわを追い出した真意はみなさんおわかりでしょう。
この役目を資盛がやることにもなんだか意味があるように思います。
びわのことをずっとからかっては、なんだかんだそばにいた資盛。
彼はびわのことを本当の妹だと思っていたのかもしれません。
今回の史実
清盛の最後について
平清盛の死因、はっきりわかっていない部分も多いですが、マラリア熱だと推測されています。
というのも、病状はアニメでも描かれた通り、体温の異常な上昇が記録として残っているからです。
また、平清盛は福原にて宋(中国)との貿易を盛んに始めた人物。
海外から運ばれた積荷からこれにかかったと推測できるからです。
もちろん、水が一瞬にして熱湯になるなどの描写は平家物語内での創作です。
ただ、それほどまで前例の無い症状だったというのは事実。
よって、海外からの伝染病であるマラリア熱が平清盛の命を奪ったと言えるのです。
この辺りの平家の恐怖感は新型コロナウイルスという未知の脅威に見舞われた現代の我々なら想像しやすいのではないでしょうか。
おわりに
平家から離れることになったびわの行方がめちゃくちゃ気になります。
源氏側と合流するのでしょうか?
死者を見る目と未来を見る目、2つを持つびわは源氏方の何を見るのか。
とにかく来週も楽しみです!
次回の感想はこちら