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富野監督が失敗作と断言「機動戦士Vガンダム」作品紹介&考察

こんにちは。てんすけです。

今回は、ガンダムシリーズのTV4作目「機動戦士Vガンダム」の考察をしたいと思います。



 

p-tenchan321.hatenablog.com

 

 

 

Vガンダムは、「機動戦士ガンダム」から始まる宇宙世紀シリーズにおいて最新の時系列を描いた作品です。

 

そんなVガンダム富野由悠季監督は

 



 

!?

 

全否定??

一体どういうことなのでしょうか?

 

今回の記事では、この理由をストーリー紹介とともに解説していきたいと思います。

 

 

Vガンダム見るならバンダイチャンネルがおすすめ

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Vガンダムストーリー解説

 

宇宙世紀0153年。

 

閃光のハサウェイ」が宇宙世紀0093年なので、約60年後が舞台です。

 

この頃は、地球連邦が形骸化。

それに加えて各コロニーが独立して、地球の自治権を争いあっていました。

 

 

 

宇宙戦国時代と呼ばれる状態です。

 

その中でもサイド2を拠点とするザンスカール帝国は、宗教による統治とギロチンによる恐怖政治で国民をまとめこの時代における最大の国家となっていました。



 

地球へも侵攻を始めるザンスカール帝国

 

それに対抗するのはゲリラ組織リガ・ミリティア



 

強大なザンスカール帝国に劣勢を強いられていたリガ・ミリティアでしたが、東欧のある国でとある少年が加わります。

 

その少年の名は、ウッソ・エヴィン

本作の主人公です。



 

彼は若干13歳ながら、ザンスカール帝国のエースパイロット、クロノクル・アシャーからMSを奪い戦うという離れ業を見せます。



 

そんなウッソをリガ・ミリティアは自分たちの反抗の象徴であり、伝説にならったヴィクトリーガンダムパイロットとして組織に迎えます。



 

ウッソは自分の故郷の仲間たちや、幼馴染のシャクティを守るためにリガ・ミリティアとともにザンスカール帝国と戦うことになりました。



 

もうひとりのヒロイン、憧れの女性であるカテジナ・ルースとの運命のすれ違い。



 

 

様々な運命に翻弄されながらも、ウッソはヴィクトリーガンダムを駆り戦うのです。

 

そして、ニュータイプではなく彼はサイキッカーと呼ばれていくことに……。

 

 

富野由悠季が全否定している理由

 

さて、ストーリーだけ見ると

 

従来のガンダムのストーリー

 

 

少年少女による冒険活劇

 

といった感じで面白そうに思いませんか?

 

なのに、総監督の富野由悠季氏は冒頭で述べたように全否定しているのです。

 

見ると分かるレベルの要因はいくつかあります。

 

 

 

陰鬱としたストーリー

 

実は、上で述べたようなあらすじと本編のストーリーはまったく違います。

 

 

 

ウッソの人生は、悲劇にまみれ次から次へと人が死んでいくというガンダム史上最も凄惨なストーリーVガンダムの特徴です。

 

また、上で述べたウッソの憧れの女性であるカテジナ・ルース



 

 

彼女、実はラスボスになるんです。



 

 

ヒロインがラスボスになります。

 

 

意味わからないと思いますが、これがVガンダムです。

 

 

また、生身の人間がビームサーベルで焼かれたり、ギロチンの描写があったりと夕方4時台にやっていたとは思えないアニメなんです。

 

Vガンダムの後に放送していたジュウレンジャーを見ようとした幼稚園児の私はトラウマになってました。

 

 

で、なぜこのような陰鬱としたストーリーなのかと言うと次で解説します。

 

 

 

バンダイサンライズのお家騒動

 

まず、Vガンダムが放送された当時、ガンダムのメインスポンサーである日本サンライズバンダイ(現バンダイナムコ)傘下のグループ会社になる計画まっただ中だったのです。

 

そんな混乱の中、制作されたVガンダム

 

バンダイからの要望も多く反映するという重い制約を抱えていました。

 

 

ガンダム」というドル箱コンテンツ。

いや、正確には「ガンプラ」がほしかったバンダイ

bandai-hobby.net

 

 

このVガンダムにもガンプラを売るための要望が多く盛り込まれ、制作スタッフはそれを受けざるを得ませんでした。

 

そして、総監督の富野監督は「Zガンダム」の頃からガンダムブランドを手放したくてしょうがなかった。

 

p-tenchan321.hatenablog.com

 

 

 

現にこのVガンダムでは、キャラクターデザインを安彦良和氏が関わってないこと、当時新人だった阪口大助氏を起用したこと、音楽スタッフを一新したことなどから分かる通り、若い世代を制作に携わらせていました。

 

ガンダムを若い世代に手放し、自分は違う作品を作る。

 

富野監督のそんな思いとは裏腹に、世間やスポンサーはガンダムを求め続ける。

 

まさに「出資者は無理難題をおっしゃる」状態。



 

せっかくニュータイプを登場させないガンダムを作ろうとしていたのに、です。

 

創作の幅を狭められ、プラモデル化をするために毎話1体ずつ新しいMSを登場させられるなど、大きな制約の中富野監督は制作を強いられます。

 

そこで、ガンダムシリーズ共通のテーマとして描かれる「分かり合う方法」を本作では驚愕の方法で描こうとします。

 

それは

 

 

全員死ねばいい

 

 

 

本作の陰鬱なストーリーはこのような背景があったからです。

 

 

 

ここまでひどい作品を作ったのだから、ガンダムは世間から飽きられるだろうとまで考えていたそうです。

 

 

 

しかし、ガンダムは考察すべき対象として一部のオタクたちから絶賛され神格化されていることに変わりはありませんでした。

 

 

この後、衝撃的なガンダム作品が生まれるまでは。

 

 

Vガンダムがあったから生まれた名作

 

 

さて、そんなVガンダムですが、悪い面ばかりではありません。

 

本作があったからこそあの名作が生み出されたとも言われています。

 

その作品とは

 

新世紀エヴァンゲリオン

後年、エヴァ原作者の庵野秀明監督は富野監督との対談で、Vガンダム大きなインスピレーションを与えくれたとも語っています。

 

 

なんとなくですが、陰鬱なストーリーが影響を与えたというよりは分かり合う方法の極論がエヴァでいう人類補完計画で、そこに行き着かないように少年少女たちががんばる。

 

こういうのを庵野監督は初期構想としてもっていたのでは?とも思います。

 

 

 

 

おわりに

 

なんともまとまりは無いんですが、富野由悠季という作家性を知るためには抑えておかなくてはいけない作品かなと思います。

 

Vガンダムは個人的には、UCNEXT100のシメとして新訳の映画化してほしいなと思っています。

 

また、この後、富野監督はガンダムが完全にオタクしか見ないアニメとなったことから制作から降りることになります。

 

 

そして、他のクリエイターが生み出したガンダムたち。

 

 

このことについて、今後語っていきたいと思います。

大好きな3作品です!!