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強炭酸青春ストーリー「サイダーのように言葉が湧き上がる」作品紹介&ネタバレ感想

こんにちは。てんすけです。

 

今年7月25日公開のアニメ映画「サイダーのように言葉が湧き上がる」が早くも配信となりました!

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この記事では本作の作品紹介ネタバレ感想をしていきます。

 

「サイダーのように言葉が湧き上がる」見るならNetflixがおすすめ。

www.netflix.com

 

 

 

あらすじ

人との会話が苦手だけど、俳句は好きな少年“チェリー”は、ヘッドホンで外部との接触を遮断して生きている。ある日彼は、地元のショッピングモールで、見た目のコンプレックスをマスクで隠す少女“スマイル”と出会い、SNSを通じて少しずつ言葉を交わすようになる。

そんななか、バイト先で出会った老人フジヤマが、大切な思い出が詰まった「YAMAZAKURA」という楽曲のレコードを探し回っていることを知る。レコード探しを手伝い、急速に距離を縮めていくチェリーとスマイル。しかし、ある出来事をきっかけに2人の思いはすれ違ってしまう。

(公式サイトより)

 

作品紹介


www.youtube.com

 

一言で言うなら夏に見たい映画の金字塔

 

なぜ、そう言えるのかちょっと紹介したいと思います。

 

 

圧倒的なビジュアルの美しさ

 

本作は群馬県田舎町が舞台です。

 

正確には田舎町の巨大なイ○ンモールが舞台。

こんな感じの。

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そんな地方都市出身者なら見慣れた光景極彩色の異空間として描いています。

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冒頭何分間で、キャラクターたちがこのモールを駆け巡るのですが、それが掴みとして強烈なんです。

 

ワクワクしたまま本作を見ることができます。

 

BGMについてもこのビジュアルをうまく活かそうとするものがほとんどで、よくあるミュージカルのような大仰な演出はしていません。

 

田舎町の静かでどことなく昔の雰囲気が残った空気感をうまく再現しています。

 

 

 

 

キャラクターの魅力

 

本作は2人の主人公を中心とした青春物語。

 

俳句が趣味の男子高校生チェリー

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彼はひょんなことから動画配信サービスで大人気の女子高生スマイルと出会います。

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この2人の抱えるコンプレックスは、とても親近感を覚えやすいもので、2人が距離を縮めていく過程が自分のことのように思えてドギマギするんですね。

 

誰にでもおすすめできて、とても見やすい映画作品です。

ぜひご覧ください!

 

 

注意

ここから本編のネタバレがあります。

 

 

 

 

ネタバレ感想

 

俳句とSNSの融合がすばらしい

 

チェリーは俳句を綴るのが趣味。

句会に参加したり、ツイッターに俳句を載せたりしていました。

 

古来のコミュニケーションである俳句

現代のコミュニケーションであるSNS

 

これらの融合が本作の演出の肝です。

 

俳句とSNSによってチェリースマイル距離が縮まる様子が丁寧に描かれています。

 

 

チェリーが投稿した俳句にスマイルが「いいね」をする。

 

それに対してチェリーはスマイルをフォローする。

 

「いいね」で心の距離が縮まる

これって現代に生きる我々にとって、すごく共感する描写ではないでしょうか。

 

チェリーは句会にも参加していましたが、そこで褒められることより、スマイルという好きな子に「いいね」をもらうことの方が喜びの度合いが大きいように描写されます。

 

 

 

ちまたでは、Twitter婚というワードがトレンド入りしたこともある通り、現代ではリアルとSNSの境界線が曖昧になっています。

 

田舎町という小さな舞台。

 

正直、イ○ンモールで配信しているスマイルには、チェリーは会おうと思えば会いに行けます。

 

それなのにSNSの「いいね」のやり取りこそ、一番距離が縮まったとお互い実感する。

 

直接、好きとは言えない。

でも、ほんのちょっとのアプローチがSNSでの「いいね」

 

俳句と同様、SNSには文字数制限というものがあります。

 

この制限があるからこそ、気持ちを伝えるのに足る言葉を厳選します。

見た人はそれに反応する。

 

まさに俳句とSNSには通じ合う部分がたくさんあります。

 

 

 

そして掛詞!

物語のクライマックスでチェリーがスマイルに送る句。

 

「やまざくら 隠したその葉 僕は好き」

 

解釈するとこうなります。

 

青葉によって隠された新芽の山桜、その姿を好む。

 

 

 

これを!!!なんと!!

 

「やまざくら 隠したその歯 僕は好き」

 

と、あえて字を間違えて、スマイルへと送ったのです。

 

スマイルは前歯がコンプレックスでした。その山桜の葉と掛けて自分の気持ちをストレートに伝えます。

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そのコンプレックスも含めて好きなんだ。

 

君をかわいいと思っているんだ。

 

 

なんというどストレートな告白。

 

 

 

 

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このあとのやまざくら〜の句の改編の嵐に私はニヤニヤが止まりませんでした。

 

 

青春の青々しい恋愛を、現代の言葉遊びであるSNS古来の言葉遊びである俳句を融合して描いているのが本作の最大の魅力なのです。

 

 

 

まとめ

 

実は、今回の記事は夏に本作を見た時に書いたものです。

 

ただし当時は緊急事態宣言下だったので、外出を要する映画を勧めるのは適切ではないと考えて公開は控えていました。

 

 

現在、ようやっと配信が開始されたのでこれで心置きなくおすすめできるようになりました。

 

ぜひ!どんな方にも響くシュワッと強炭酸の青春ストーリーをお楽しみください。