こんにちは。てんすけです。
ガンダムシリーズの大大大ファンです。
今回の記事では、「機動武闘伝Gガンダム」の作品紹介と考察をやっていきます。
めちゃくちゃ思い出深いガンダムです。
何を隠そう全話まるっと見たガンダムはこれが初めてのものだからです。
そして、ガンダムシリーズを語る上でも欠かせない作品。
「機動武闘伝Gガンダム」は富野由悠季監督とガンダムシリーズを救った作品とも言われています。
「こんなのガンダムじゃない!バカにするな!」
と怒ると言われています。
これ、実は真っ赤なウソ、というかデマです。
なぜなら、「機動武闘伝Gガンダム」ほど「機動戦士ガンダム」のもつ深いテーマを完璧に描ききったガンダムは無いからです。
こんな形で、「機動武闘伝Gガンダム」の魅力を熱く紹介するとともに、作品に込められたテーマについて考察をしていきたいと思います。
Gガンダムストーリー解説
まず「機動武闘伝Gガンダム」は「機動戦士ガンダム」から連綿と続いていた宇宙世紀の物語ではありません。
そのため、アムロもシャアもまったく関係無い作品です。
ニュータイプとかも出てこない!
時は未来世紀。人々は荒廃した地球を捨てて宇宙に活路を見出し、宇宙コロニーに生活圏の全てを移して過ごすようになっていた。
しかし、コロニーに上がれた者と上がれずに地球に取り残された者との格差は広がり、地球の荒廃はより悪化の一途をたどっていた。
宇宙世紀とは逆の流れですね。
コロニー国家間の覇権をかけて行われる機動兵器同士による格闘大会「ガンダムファイト」は未来世紀60年の節目に13回大会を迎え、大会開催と共に各国のコロニーから五つの光が地球に向けて放たれた。それは大会会場となる地球に向かうために降下した各国代表のガンダムファイターたちであった。
代理戦争として格闘大会が行われる。
これがGガンダムのメインストーリーです。
まるでオリンピックのようですね。
ネオジャパン代表のガンダムファイターであるドモン・カッシュもまた、その1人として、パートナーのレイン・ミカムラとともに地球に向かう。
レイン・ミカムラ
ドモン・カッシュはシャイニングガンダムと共に、必殺技シャイニングフィンガーで各国のファイターたちと戦います!
メガ粒子砲?
異色中の異色
さて、ストーリー解説を読んでわかったかと思いますが「機動武闘伝Gガンダム」は当時のガンダムファンに賛否両論を生みまくりました。
放送当時はほぼ否ですが。
これまで徹底的にリアルに戦争を描いていた宇宙世紀のガンダムシリーズ。
また、アムロやシャアを主軸として受け継がれるニュータイプストーリーといった魅力も宇宙世紀のガンダムシリーズは持っていました。
それをすべてぶっ壊した格闘スポ根もの!
それが「機動武闘伝Gガンダム」
戦争ではあるんですが、これまでのような形ではありません。
主人公ドモン・カッシュは愛機シャイニングガンダムを駆り、ライバルと正々堂々ガンダムファイトを繰り広げるのです!!
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・
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こんなのガンダムじゃない!!!
いや、わかりますよ。
そう言いたくなるのは。
でも、ここまで「機動戦士ガンダム」の固定概念をぶち壊した「機動武闘伝Gガンダム」ですが、「ガンダム」というシリーズの本質を抽出して新たな未来を作り出したとも言える作品なのです。
そう、それは「宇宙世紀」という富野由悠季監督に科せられた呪いをヒートエンドすることだったのです。
ここからはネタバレがあります。
作中で描かれたガンダムのテーマ
「機動戦士ガンダム」シリーズのテーマは大きく次の通り。
①戦争
②人と人とが分かり合う方法
③環境問題
※これはファーストでは薄くZ以降で濃くなったテーマ。
拳と拳で分かり合う
①を舞台に②が描かれるというのがこれまでの宇宙世紀シリーズ。
Gガンダムではこれを
①代理戦争であるガンダムファイト
を舞台に
②全力でぶつかり合うからわかり合える
と、スポ根バンザイで描いています。
また②の分かり合う方法については、
人間、言いたいことはちゃんと言葉にしなきゃ分かり合えないだろ!
と、直球ながら我々の身近まで下ろすようにテーマとして描いたのです。
だからこその石破ラブラブ天驚拳なんです!
これまではニュータイプになることが可能性の一つとされてきたのに対して面白いテーマの描き方だと思います。
ピキューンピキューンじゃなく、言葉で伝えろ!!
シンプルながらとても共感性の高い描き方です。
そして、注目すべきはこれまでの宇宙世紀シリーズでは、テーマに対する答えは出さない=戦争の明確な解決方法はないとしてきたのを覆しているところ。
なぜなら、最終話のタイトル見てください。
勝ってるんです。
Gガンダムは。
ちゃんと言葉と言葉で殴り合えば、互いの主張は伝わる。
ガンダムファイトはそういうもの。
これまでのガンダムとは違うものの、しっかりテーマと向き合って答えを出すことに成功しているのです。
しっかりわかり合える方法を作中で描いているのです。
当時、幼稚園児だった私もこのメッセージはなんとなくですが理解できました。
ただし、ドモンらガンダムファイターが正々堂々とファイトする一方で、裏では国家同士の暗躍が行われているのも面白いところ。
これまでの宇宙世紀シリーズであったリアルな組織の腐敗も、作中では描いています。
つまり、Gガンダムは荒唐無稽なお祭り作品ではなく、リアルテイストの中でガンダムのテーマを描いていたのです。
こういった点から富野由悠季が始めたガンダムの系譜を、どの作品よりも正統に受け継いだのがGガンダムであると言えます。
なぜなら、富野監督がやろうとしてもできなかった「テーマを描ききる」ということをやってのけたから。
「機動武闘伝Gガンダム」では人と人とが分かり合う方法を『直接言葉で伝え合おう』と戦争ではなく格闘大会を舞台に描いた。
それは富野由悠季が認めるガンダムの王道な描き方だった。
環境問題と言えばGガンダム
ファーストガンダムから少しずつですが描かれていた環境問題。
主軸においたのはGガンダムが初めてです。
主人公ドモン・カッシュがガンダムファイトに参戦したのは、兄キョウジ・カッシュが奪ったアルティメットガンダム=デビルガンダムを追うためです。
そして、物語が進むごとに明かされるのですが、荒廃した地球環境を正常に戻すためのプログラムが組み込まれていたのがデビルガンダム。
ドモンの師、東方不敗もこれに賛同したからこそデビルガンダム四天王となって敵となったのです。
しかし、ドモンは東方不敗との最終決戦で言い放ちます。
東方不敗、あんたは間違っている!
なぜならば、あんたが抹殺しようとする人類もまた、天然自然の中から生まれたもの!
いわば地球の一部。
それを忘れて、何が自然の、地球の再生だ!
そう、ともに生き続ける人類を抹殺しての理想郷など!
愚の骨頂!
第45話「東方不敗、暁に死す!」より
1994年というのは、気候変動枠組条約が締結されてまもなくということもあり、日本中で環境問題を扱うことが増えてきていた時期。
それらの多くの主張は、人間の身勝手を非難するものばかりでした。
地球守るためには人間滅亡したほうがいいんじゃね?
というやつですね。
しかし、Gガンダムでは違いました。
人間も地球も共に大切。
共存していく道を探すべきだ。
と、主張したのです。
共存していこう
これって、ガンダムの最大のテーマ「人と人とが分かり合っていく」に通じます。そうなれば戦争は解決するんです。
このテーマを環境問題に対しての答えとして提示する。
こういった点においても、Gガンダムはガンダムシリーズで描かなければならないテーマについて明確に答えを出していると言えます。
「機動武闘伝Gガンダム」は環境問題を扱い、共存して生きていくという答えまで描いた。
まとめ
このように「機動武闘伝Gガンダム」とは、宇宙世紀シリーズで描いてきたテーマをそのまま、ミリタリー(戦争)要素を薄めて幅広い年齢層にガンダムを広めるために作られた作品であると言えるでしょう。
この作品が盛大に固定観念をぶち壊してくれたから、今でもガンダムシリーズは続いているんですね。
しかし、ここまでの力技をした結果、多くの反発も生まれました。
というファンも多いです。
ただ、私は「機動武闘伝Gガンダム」が大好きだし、今後もこういった固定観念をぶち壊す作品がガンダムで出てほしいと願っています。
それがガンダムというシリーズが永遠に進化する道だと信じているからです。
ラブコメとかやらないかな〜。